口内炎とコラーゲンについて語るブログ

口内炎とコラーゲンに関する研究のみまとめたブログです。(たまに読んだ本をまとめます)あくまで個人的なレビューとして利用し、他のトピックは取り上げませんので悪しからず。何らかの形でお役にたてれば幸いです。

ヨガで生理痛は軽減するのか?

生理痛シリーズも3回目になりました。

 

ちなみにたびたび月経困難症(〜生理痛)を取り上げていますが、ちょっと補足します。月経困難症には2種類あって、機能性(原発性)月経困難症と器質性(続発性)月経困難症です。前者は明らかな原因となる疾患が見当たらない場合を指し、生理が起こるとプロスタグランジンが分泌され、子宮を収縮させ、子宮内膜を剥がし、子宮から排出させるように働きます。ただプロスタグランジンの分泌量が多かったり、子宮内膜の感受性が高かったりするとより痛みを伴います。一方、後者は子宮内膜症子宮筋腫等の疾患が原因で起こる月経困難症です。原因となる疾患によって起こるということで続発性月経困難症と呼ばれたりもします。

 

今回はヨガが生理痛にどう影響するのかについての研究を紹介します。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/jmwh.12729 

 

機能性月経困難症は最も流行している婦人科における症状でして、67〜90%ほどの若い女性がかかるものだと言われています。非ステロイド性抗炎症薬は全ての女性に効くわけではなく10〜20%ほど効かない女性も存在するのだそう。吐き気、下痢、頭痛などの副作用を考えると使用するのは憚れるかも。その他に経口避妊薬も使われることはあるが、妊娠を望む女性や宗教的側面から理想的な薬とは言い難いでしょう。

 

そんなわけで代替医療を試す女性はちょいちょいいまして、過去1年で米国の女性の39%が代替医療を経験したそう。その一つがヨガになります。

 

 

結果は以下の通りです。

1996〜2016年までの14もの研究が対象になっています。(そのうち8つがランダム化比較試験で、6つが準実験的研究)

 

ヨガにより体の痛み、不快感、睡眠、集中力、負の感情、仕事能率などQOLに関わる項目が改善、向上した。

 

機能性月経困難症に対するヨガの効果を調べたのは、対象となった14コの研究のうち13コ。その中で3つの質の悪い研究(サンプル数が少なかったり、短期間だったり)と9つの質の良い研究がヨガをした後に有意に生理痛が減少することを報告した。

 

そして最後に、著者らは

ただ、ヨガにはさまざまな動きの組み合わせや、ヨガを行う頻度、期間、幅広い呼吸法が存在し、結果がこれらの特徴とどう関連づけられるのかまで言及しなければ、機能性月経困難症が関係するQOLに対するヨガの介入の効果をみることはできないだろう。

 と述べています。

 

 

つまり、ヨガのどんな側面が生理痛に良い影響を及ぼしたのかまでは調べることはできなかったものの、ヨガ後にはQOLが上昇していました。ヨガは手軽に始められ、費用対効果はかなり高いので原因がよくわからないけど生理痛に悩んでるって方はやってみる価値はあるでしょう。