ストレスや不安が口内炎にどのくらい影響するのか問題
ストレスや不安などの心理的ストレスが再発性アフタ性口内炎(RAS)にどう影響するのか問題に対する論文がありましたので紹介します!
Psychological stress and recurrent aphthous stomatitis
サンパウロ大学の歯学部で1年間実施されたものです。被験者は、RAS患者と、性別、年齢、社会経済状況が一致した非RAS患者(control群)の2つのグループです。ちなみに社会経済状況はGracianoらによって開発されたチャートを用いております。
RAS患者に含まれるのは、小アフタ型、非喫煙者、RAS疾患歴が最低に年の人であります。また今までと同じようにビーチェット病、セリアック病、クローン病などの全身疾患をもっている患者は除外されております。その結果、被験者は全部で50人、ウチRAS群は25人(女17男8)
心理的ストレスはサンパウロ大学心理学研究所の調査票(SSLVAS調査表)を用いて評価しており、ストレスの頻度と強さについて59もの質問から成り立っています。(ストレスレベルは5段階)
結果は・・・
全ての患者が酸性の食品や局所的外傷に晒されたことを述べ、17人の患者がRASの重症度とストレスフルな生活との関連を報告。また16名の患者が病変自体がストレスレベルを高めると報告。
ストレスの度合いを測る調査表からは、RAS群と対照群の間にはストレスレベルにおいて有意な差が見られました(R<0.05)。(ただしストレスレベルが3以上のとき)一方、RAS群の中で軽度、中程度、重度の患者の間には有意差ななかった模様です(R=0.57)。さらに男女間においても差はありませんでした(R=0.98)。
この結果を受けて研究者らは
RAS発生の要因となる心理的ストレスには、学校の試験や歯科治療、家族問題、職場や住居等の環境の変化が挙げられる。このような心理的なストレスにより炎症部位の白血球の数を増やすことで免疫調整機能を活性化し、RAS発生につながると考えられている。
試験自体はストレスがRAS発生に及ぼす影響を示唆するが、その発生メカニズムについては明らかにはならなかった。一部の研究者は不安が唇や頬を噛むといった口腔習慣を促し、そういった傷害が潰瘍形成に繋がるのでは・・?と推測している。しかしこのような傷害に繋がる習慣は今回の被験者には見られなかった。
という感じでした。つまりどういう機構で発生するのかはわからないけど、中程度以上の心理的なストレスは口内炎に繋がる可能性があるため、ストレス管理をしましょうね!ってことです!