がん治療薬が皮膚発疹や口内炎にどのような影響を及ぼすのかについてのメタ分析がでたよ!
このトピックは、抗がん剤をしようすると口内炎が副作用ででますよーといわれておりますがそれに関連してるんですかね
ちょいと薬について。
体内でのシグナル伝達のなかにはmTOR(ラパマイシンの標的分子)シグナル伝達っていうのがあります。それは細胞が成長や分裂、また血管新生などの重要な面を制御する反応経路でして。がん細胞での経路に異常がでるとがんが進行化したり、悪性腫瘍が大きくなっていったりするため、がん治療においてはmTOR阻害薬が使われるんだそうだ。
そして、この研究の臨床実験で用いられているのは、小さい分子からなるmTOR阻害薬のテムシロリムスであります。
ただ副作用もありまして、皮膚発疹や口内炎、にきび、髪の変化(脱毛?変色?)、皮膚のかゆみや乾燥、爪周囲炎等のつめの変化が代表的なもの。
このような症状が出た際に重症化しないためにも、薬の服用を少なくするのか中止にするのかというのを考えるのは大きな問題であります。
~ それでは、本題に参りましょう~
腎臓がんの一種である腎細胞がんの治療に用いられるテムシロリムスを服用すると皮膚発疹や口内炎にどう影響するのかについてのいろんな研究をまとめたメタ分析が2012年にでました。
どんな研究をまとめたのー?というと、1998〜2011年までのオンラインの学術データベースや2004年〜2011年までのアメリカ臨床腫瘍学会でのアブストになります。
結果は以下の通りです。
10コの臨床試験における779人の患者さんが研究対象です。
発疹については・・・
・すべてのグレード(重症度の階級)の発生確率は45.8%で、相対危険度は7.6(p<0.001)。
・ハイグレードな発疹の発生率は3.3%で、相対危険度は13.70(p=0.07)。
一方、口内炎に関しては・・・
・すべてのグレードの発生確率は44.3%で、相対危険度は11.10(p<0.001)。
・ハイグレードな口内炎の発生率は3.2%で、相対危険度は13.2(p=0.07)。
っていうことで、テムシロリムスによって以上の危険があるとわかりました。これは腫瘍のあるなしに関係ないそうです。
無意味に体を弱弱しくさせちゃったり、最適量でない服用を防ぐためにもこれらのリスクを認知して十分に気を使うことが大事ですよーってことです。